例えば、名刺のデザインを依頼しました。印刷所に送る入稿用ファイルを受け取り、印刷も完了しました。これで一件落着のように思えますが、注意してもらいたいことがあります。
それは「編集用ファイル」もデザイナーさんから受け取っておくということです。たまに「入稿用ファイル」しか持っていないクライアントさんがいらっしゃるのです。
そんな方への説明のための記事になります。
01. 編集用ファイルがないと何か困るの?
テキスト変更の際に手間どります。例えば住所変更や電番変更、あと同じデザインで別の人の名刺を追加作成するなど。手間取るということは作業工数が増えるということであり、編集用ファイルが有るのと無いのとでは作業金額が異なってきます。一般的なフォントを使用されていればそれほどでもないですが、特殊なフォントを使用している場合、フォント探しからしなくてはなりません。AIを使っても即見つけられる可能性は現在(2026年)でも半々の手応えで、類似フォントでは困ると言われるとかなり時間をかける結果になってしまいます。さらに、そのフォントを所持していない場合、購入についても考えなくてはなりません。
02. 編集用ファイルと入稿用ファイルの違い
ずばり、テキストの「アウトライン化をする前」と「アウトライン化をした後」の違いです。
アウトライン化した文字は、書き換えをすることができません。テキストデータではなく、図形化した状態にあたるからです。WEB上で拾った画像の中の文字を簡単に編集できないのと同じです。
じゃぁ、再編集できるとようにアウトライン化しなければいいのに、なぜわざわざアウトライン化するのか。それは印刷所で困るからです。短く説明すると、使用したフォント情報を印刷所が所持していなかった場合に、別のフォントに置き換えられてしまい、意図しないデザインに変わってしまいます。
03. 注意喚起、デザイナー側も気をつけて
作業工数(作業時間)が違えば、費用も変わる、それ、当然。
しかし、いざ蓋を開けてみたら、打ち合わせから想定した内容とは違うこともある。
依頼内容:
名刺の名前の入れ替えのみの簡単なお仕事。
AIファイル有りなので、すぐできるはず。
結論:
一般論と依頼文からアウトライン化前のファイルも当然セットで送られてくると思って見積もりを出してはしてはいけません。AIファイルの中身を確認する必要があります。
事例01)当たり前のようにアウトライン化済のファイルしか送られてこない
これはあるあるな気がします。名刺印刷の経験が少ないと悪意なく、そんなこともありますよね。悪意がなければ上記の説明をして、再見積もりさせていただき、発注するかしないか再検討していただきます。
以下は余程のことがない限り、うちではお断り案件です。
事例02)印刷物を撮影した写真が埋め込みされたAIファイルが送られてくる
AIファイルである意味が全く無いです。が、AIファイルありだと手間が少ないので少し安くできると言ったら、そんなことしてくる人も世の中にはいるのです。
悪意なく、知識がないだけでしてきたことなら、工数の説明をすることで交渉の余地ありですが、何をどう説明しても最初の金額でやってくれと繰り返される場合は悪意と同義として扱います。こういった場合、こちらの責任ではない部分の修正も要求されて泥沼化、長期化するケースが少なくなく、他の案件のクライアントさんたちにもご迷惑をおかけする可能性が低くない以上、お断りせざるを得ません。
事例03)ファイル探しから要求される
共有サーバに招待されたり、名刺とかかれたZIPフォルダが丸ごと送られてきて、必要なファイル探しから要求されるケースです。理解できる部分もあります。AIファイルを開いて編集できないから依頼してきているのですものね。最初にデザインしたデザイナーさんも他人が触ることになるとは思っていなくてPDFや画像ファイルを付けてなかったのかもしれません。ですが、当店の初回お見積もりは、そのような事務作業の費用まで含まれていないことが一目で分かる低価格のはずです(断言)。探す分の費用も含めといてと一言欲しいです。それがあれば、簡単に見つかった場合、このくらいなら大丈夫ですって言える程度には私は人が良いです。でもなー、言わないんだろうなぁ、安くてラッキーくらいにしか思わない人が大半なんだろうなぁ。私は発注者側になる際、安すぎたら「修正何回までできる?見積もりにちゃんと入ってる?」って確認するけどなぁ。どんな仕事でも、作業に見合った報酬であることって社会的にすごく大切なことだと思うのだけど、みんな余裕がなくなってるからなのかなぁ(´・ω・`)
そして、なんでもかんでも「かしこまりました!」と指示に従う最高級の接客サービス(?)費用もまた、うちの見積もり金額には含まれておりませんので予めご承知おきくださいませ。
